シックハウス症候群の被害が叫ばれる昨今、天然無垢素材のフローリング(床)や羽目板(壁・天井)が、今再び注目を集めています。一昔前までは、「木」をふんだんに使った日本家屋がたくさんありましたが、何時の頃からか本物の「木」を使った住宅は姿を消し、新建材やクロスといったローコストの大量工業生産品で囲まれた空間の中で、人々は生活をするようになりました。
コンクリートジャングルに囲まれた職場や学校、新建材に覆われた住宅…。何かとストレスの多い現代社会で、癒される空間があまりにも減ってしまったことが、歪んだ社会を作り出してしまった一つの要因かもしれません。
そんな中、新築やリフォームをテーマにしたテレビ番組が数多く放送されるようになり、一流の建築士の方々が内装に用いた天然無垢素材のフローリングや羽目板が、再び脚光を浴びるようになりました。
インターネットの普及により、お施主様も素材選びに様々な情報を得ることが可能となり、これまで多くの住宅で使われてきた床材が実は本物の「木」ではなかったことに気付かされ、そして本物の「木」で作られたフローリングを知った方も沢山いることでしょう。現在、住宅の新築・リフォームをご検討中のお客様や、多くのお客様に住宅をご提案される業者様に、天然無垢素材とは何か、本物だけが持つ価値とは一体何なのか、お伝えすることが出来れば幸いです。
01 | 身体にやさしい |
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天然無垢素材で作られた「フローリング」や「羽目板」は、薄くスライスされた木材を何層にも接着剤で張合わされた「合板フロア」とは違い、1本の木から作られた1枚物の商品です。「合板フロア」も、国が定めるホルムアルデヒド発散量の基準値をクリアしたF☆☆☆☆の商品ではありますが、天然無垢素材から作られた「フローリング」は、F☆☆☆☆の基準値をはるかに下回る発散量で、F☆☆☆☆対象外の商品です。 アレルギーをお持ちの方や、生まれたばかりの赤ちゃんがいらっしゃるご家庭などには特におすすめしたい商品ですし、何のアレルギーをお持ちでない方も新居に引っ越した途端、新築病を発症する方も多くいらっしゃることを考えますと、どなたにでも安心してお使いいただける商品です。 |
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02 | 心にやさしい |
森林浴で森の澄んだ空気を吸い込むと、何とも言えないリラックスした気持ちにさせられます。しかし、コンクリートと新建材に囲まれた現代社会で、そのような時間を作ることは簡単ではありません。 そこで、住宅内部に天然無垢素材の「フローリング」や「羽目板」を使用することにより、ほのかな「木」の香りが漂う室内空間が生まれ、自宅にいながらリラックスできる贅沢な時間をお楽しみいただくことが可能です。 | |
03 | 再生が可能で環境にもやさしい |
新築・リフォームの完成後はピカピカのフローリングも、入居後は次第に傷がついてゆくものです。それは「合板フロア」も天然の無垢素材の「フローリング」も同じです。(天然無垢フローリングの中には、樹種によって非常に傷の付きやすい商品もあります。) しかし、「合板フロア」と天然の無垢素材の「フローリング」の決定的な違いは、無垢素材は傷だらけの表面を、数年後にサンダー掛けして削り落としてしまえば、新築時のピカピカな状態に再生することが可能な点です。 これは、表面に薄い突板を張った「合板フロア」には絶対に真似できない方法です。天然無垢素材は、たとえ表面を数ミリ削り落としたとしても、どこまでも本物の「木」が出てくる、言わば金太郎飴のようなものなので、このような事も可能なのです。 合板フロアの場合ですと、表面を削り落とせば中から見せてはいけない何層ものベニヤが出てきます。 従って、傷だらけの「合板フロア」を再生させることは不可能で、張替えという選択肢しかありません。 ゴミの処分に高額の費用を使って張り替えるよりも、長いスパンで床材を見た時には天然無垢素材の「フローリング」の方が、時間的にもコスト的にもお得かもしれません。 |
上記で天然無垢素材の「フローリング」や「羽目板」の素晴らしさをご説明させていただきましたが、と同時に天然無垢素材特有の欠点・短所もございます。 別項の「天然無垢素材の欠点・短所」も必ずご一読いただき、長所と短所を十分ご比較の上、お使い頂きます様お願い申し上げます。
特徴と短所の説明 | |
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節有 | 節の星割れや欠け、抜けない小さな死節、偽芯が許容。抜け節や大きな節の短所はパテや埋木を行っています。 |
無節上小 | 基本的に無節ではありますが、ハ節や極少量の小節が混入する場合があります。また、それらの小節に割れや抜けがある場合はパテや埋木補修を行っています。 |
上小節 | 1枚の板に対して10mm以下の節が、2~3個まで許容。 |
ラスティック | 天然無垢素材の短所を無垢の風合いとして、そのまま表現しています。 材のヒビ割れや、節の割れ抜け、白太、変色をすべて許容。大きな短所はパテ補修を行っています。 |
カスリ | カスリの混入が許容。 |
板柾 | 広葉樹で板目・柾目の比率がランダム。 |
柾主体 | 基本的に柾目主体も、若干の板目が混入する場合あり。 |
白太 | 白太が面積の30%まで許容。 |
源平 | 赤身・白身の混在の許容。 |
アテ | 性質上アテが強い樹種で、施工に問題のない程度のアテは許容。 |
桟跡 | 生産工程の都合上、材面に桟の跡が出る場合あり。 |
シミ | 生産工程の都合上、材面にシミが出る場合あり。 |
軟 | 材面が非常に軟らかく、施工中・施工後傷がつきやすい性質のもの。 |